便秘や下痢が慢性的に続いたり、突然交互に繰り返されたりして、日常生活に支障を感じていませんか?
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便通異常は、多くの場合「体質だから」と見過ごされがちですが、大腸の病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。
今回は、便秘と下痢を繰り返す症状の主な原因である「過敏性腸症候群(IBS)」の正体と、ご自身でできる対策、そして重篤な疾患を見逃さないための重要なポイントをお伝えします。
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便秘と下痢を繰り返す主な原因
検査で大腸がんや炎症などの器質的な病変が見つからないにもかかわらず、慢性的な腹痛や便通異常(便秘・下痢)が繰り返される場合、過敏性腸症候群(IBS)が主な原因と考えられます。
過敏性腸症候群(IBS)とは?
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IBSは先進国に多く、日本人の約10〜15%が罹患していると推定されています。
- ・原因はストレス:IBSの発症には、遺伝的要因に加え、ストレスが深く関わっています。ストレスを感じた時(例:職場や学校に行こうとするとき、試験や会議の前)に、腹痛や便通異常の症状が現れることは珍しくありません。
- ・自律神経の乱れ:精神的・身体的なストレスによって自律神経のバランスが乱れると、腸の蠕動(ぜんどう)運動に障害をきたし、便秘と下痢を繰り返す原因となります。
- ・混合型(IBS-M):IBSの中でも、硬い便(硬便・コロコロした便)と柔らかい便(軟便・水様便)のどちらもが排便全体の25%以上を占めるタイプを混合型と分類します。このタイプは、ストレスが高まると特に便秘と下痢を交互に繰り返す傾向があります。
IBSに伴う全身症状と心理的症状
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IBSは便通異常だけでなく、全身にさまざまな症状を引き起こします。
- 腹部症状:腹痛や腹部膨満感(お腹がゴロゴロして落ち着かない感覚)。
- 全身症状:疲労感、動悸、頭痛や吐き気。自律神経の乱れから血液循環が悪化し、肩こりや腰痛を誘発する可能性もあります。
- 心理的症状:自律神経が乱れることで、不眠、イライラ、怒りっぽくなるといった心理的症状を引き起こすリスクもあります。
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見過ごせない!便通異常に隠れた重篤な病気
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便秘と下痢の繰り返しや急な便通の変化は、IBSのような機能性疾患だけでなく、早期発見が必要な病気が隠れている可能性があります。
| 疾患名 | 症状の特徴 |
| 大腸がん | 便秘と下痢を繰り返すという特徴的な症状があります。特に左側結腸にがんが生じた場合に多いです。進行すると、血便や、大腸内部での出血による赤黒い便(下血)が見られます。大腸がんの多くは大腸ポリープががん化したものです。 |
| 潰瘍性大腸炎 | 大腸の粘膜に炎症が起きてただれや潰瘍ができる病気です。下痢に加えて血便が見られ、発熱や体重減少を伴うこともあります。 |
| 大腸ポリープ | ほとんど自覚症状はありませんが、肛門近くにできたポリープは血便や粘液が付着した便の原因となることがあります。 |
大腸がんリスク:血便や鮮血が見られる場合、「放置しないで」大腸がんリスクが潜んでいる可能性があるため、大腸カメラ検査が重要です。
3.IBSの症状を和らげるための対策方法
IBSの症状を改善し、悪循環に陥るリスクを避けるためには、日々の生活習慣や食生活の見直しが非常に大切です。
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ストレスを解消する
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IBSの最大の敵はストレスです。自身に合った方法で気分転換を図り、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
- ・スポーツをする
- ・気軽に語り合える友人を持つ
- ・没頭できる趣味を持つ
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規則正しい生活を送る
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疲労や睡眠不足も身体的ストレスとなり得ます。
起床時間、食事の時間、就寝時間を毎日一定にし、生活リズムを整えることで、睡眠や休養を安定して取りやすくなり、結果的にストレスの軽減につながります。
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積極的に摂りたい「腸活」応援食材
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食生活の改善として、規則正しく朝・昼・晩の食事を欠かさず摂ることが重要です。
| 食材 | 期待できる効果 |
| 食物繊維 | 果物、野菜、きのこ、海藻などに多く含まれ、過敏性腸症候群の改善効果があるとされています。 |
| 乳製品 | 乳酸菌を含むヨーグルトなどの乳製品は、腸内環境を整える効果が期待できます。 |
| キャベツ | 粘膜の修復を助けるビタミンUやビタミンC、食物繊維が豊富です。 |
| リンゴ | ペクチン(善玉菌のエサになる)やポリフェノール(粘膜修復)を含みます。 |
| もやし | 食物繊維が豊富で、低カロリーかつ手軽に生活に取り入れやすい食材です。 |
控えたい食品:脂っこい料理や冷たいもの、アルコール、カフェイン、香辛料などの過剰摂取は、症状を悪化させる可能性があるため控えましょう。
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必要に応じて市販薬を活用する
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なかなか便が出ない、便が硬いといった便秘症状が続く場合は、生活習慣の改善と並行して市販の便秘薬を試す方法もあります。酸化マグネシウム便秘薬は、お腹が痛くなりにくくクセにもなりにくいのが特徴です。ただし、初めて服用する場合や、他の薬を服用している場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
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症状が続く場合は、医療機関にご相談ください
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過敏性腸症候群は命に関わる病気ではありませんが、生活の質(QOL)を著しく低下させてしまいます。
便秘と下痢を繰り返す症状が長引いている場合、あるいは血便や体重減少など便秘以外の不調を伴う場合、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎といった他の消化器疾患の可能性を除外するためにも、早めに医療機関(内科、消化器科)を受診しましょう。
当院(きなが内科・内視鏡クリニック)では、過敏性腸症候群(IBS)の診断・治療をはじめ、大腸がんやポリープ、潰瘍性大腸炎などの消化器疾患に対応しております。特に、大腸カメラ(下部内視鏡)検査では、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査を心がけており、大腸ポリープ切除後の過ごし方に関する情報提供なども含め、丁寧な診療を心がけています。
ご自身の便通について少しでも不安があれば、お気軽にご相談ください。




