再出血を防ぐための食事と生活ガイド

「ポリープを取った後、いつからお酒を飲んでいいですか?」
「揚げ物やラーメンはいつから食べられますか?」
大腸カメラ検査でポリープを切除された患者様から、このようなご質問をよくいただきます。
特に年末年始やイベントシーズンなどは、こうした制限が辛く感じることもあるかもしれません。
しかし、ポリープを切除した後の大腸は、いわば「手術後の傷口」がある状態です。
当院では、術後の出血トラブル(後出血)を可能な限りゼロにするため、他院様よりも少し慎重な期間設定(食事・生活制限)をお願いしております。
今回は、なぜその制限が必要なのか、具体的にいつから何を食べていいのかについてお伝えします。
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なぜ「アルコール」と「揚げ物」が要注意なのか?

ポリープを切除した直後の腸壁は、クリップなどで処置をしていても非常にデリケートです。ここに負担をかけると、一度止まっていた血が再び噴き出す「後出血」のリスクが高まります。
【アルコール】血管を広げて出血を招く
アルコールには血行を良くする作用があります。健康な時なら良いことですが、術後は「ふさがった傷口の血管を広げてしまい、出血を誘発する」最大のリスク要因となります。そのため、当院では「最低でも術後1週間、できれば2週間」の禁酒を強く推奨しています。「少量なら…」という油断が大敵です。
【揚げ物】消化が悪く、腸を激しく動かす
天ぷら、トンカツ、フライドポテトなどの「揚げ物」や、脂身の多い肉は消化に時間がかかります。消化のために腸が激しく動いたり、大量の胆汁が分泌されたりすることで、傷口に物理的な負担がかかってしまいます。これらも術後1週間程度は控える必要があります。
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きなが内科流:術後の食事・生活カレンダー

当院の基準に基づいた、術後の過ごし方の目安です。
※切除したポリープの大きさや数によって前後しますので、最終的には医師の指示に従ってください。
| 期間 | 食事・嗜好品 | 入浴・運動 |
| 当日 | 絶食または流動食のみ
(ゼリー、具なしスープ等) |
入浴不可
(シャワーも翌日から推奨) |
| 翌日~3日目 | 消化の良い回復食
(おかゆ、うどん、豆腐など) |
シャワーのみ可
(湯船は避ける) |
| 4日目~6日目 | 徐々に固形物を増やす
(煮魚、柔らかい野菜) |
軽い散歩程度ならOK
(激しい運動はNG) |
| 1週間後~ | 診察・制限解除の目安
普通の食事へ移行開始 |
医師の許可があれば
入浴・運動・飲酒を再開 |
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食べていいもの・避けるべきものリスト
「消化の良いものって具体的に何?」と迷われた際は、以下を参考にしてください。
◎ おすすめの食事(腸にやさしい)

- 主食: おかゆ、よく煮込んだうどん、パン(耳なし)、そうめん
- タンパク質: 豆腐、茶碗蒸し、白身魚(煮付け・蒸し)、鶏ささみ、はんぺん
- 野菜・果物: 皮をむいたリンゴ、バナナ、柔らかく煮た大根・カブ・人参
× しばらく我慢してほしいもの

- 脂っこいもの(揚げ物): トンカツ、唐揚げ、天ぷら、ラーメン、カレーライス
- 刺激物: 唐辛子、わさび、炭酸飲料
- カフェイン: コーヒー、濃い紅茶、エナジードリンク
※カフェインは腸を刺激するため、当院では術後1週間程度控えていただくようお伝えしています。
- 食物繊維が多すぎるもの: ゴボウ、レンコン、海藻類、キノコ類
※食物繊維は普段は体に良いですが、術後は「便のカサ」を増やして傷口を擦ってしまうため、1週間ほどは控えめにします。
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まとめ:安全に「美味しい食事」に戻るために

「他のクリニックでは翌日からお酒OKと言われた」という話を聞くことがあるかもしれません。
しかし、万が一出血が起きれば、内視鏡による再止血処置が必要になったり、最悪の場合は入院が必要になったりと、患者様ご自身が一番辛い思いをされてしまいます。
当院では、「確実な安全」を最優先に考えています。
1週間〜2週間の制限は少し窮屈に感じるかもしれませんが、何事もなく元気に日常に戻るための「充電期間」と捉えていただければ幸いです。
制限解除のタイミングや、具体的な食事内容で迷うことがあれば、ご自身の判断で再開せず、必ず当院までご相談ください。




