神戸市 きなが内科・内視鏡クリニックが解説

「最近、うさぎのフンのようなコロコロとした便しか出ない」
「便が硬くて、排便時に苦労することが多い」
このような「コロコロうんち」に悩んでいませんか?多くの方が経験する便秘の一種ですが、その背景には日々の生活習慣が大きく影響しています。院長の木長は産業医として、多忙なビジネスパーソンがストレスや不規則な生活から同様の不調をきたす場面を数多く見てきました。
ほとんどは生活習慣の問題ですが、まれに大腸がんのサインである可能性もゼロではありません。今回は、コロコロ便の原因と、その裏に潜むリスク、そして私たちの理念である「大腸がんで亡くなる不幸をなくしたい」という想いに基づく解決策についてお伝えいたします。
「コロコロうんち」になってしまう主な原因

コロコロとした便は、便が腸内に長く留まり、水分が過剰に吸収されて硬くなることで作られます。
-
水分不足・食物繊維の不足

基本的な原因です。水分摂取量が少なかったり、食生活の乱れで野菜や海藻などの食物繊維が不足したりすると、便は硬く、小さくなります。
2.ストレスや生活習慣の乱れ

これは非常に大きな原因です。ストレスは自律神経のバランスを乱し、腸のぜん動運動(便を押し出す動き)を低下させます。運動不足、睡眠不足、不規則な食事時間なども、腸の働きを鈍らせます。
3.過敏性腸症候群(IBS)の便秘型

ストレスが引き金となり、腸がけいれんするように過剰に動くことで、便が分断されてコロコロになります。腹痛を伴うことも多くあります。
最も注意すべき「大腸がん」との関連性

ほとんどの場合、コロコロ便は上記が原因です。しかし、大腸がんのサインとして現れることもあるため、以下の点は必ず知っておいてください。
大腸にがんができると、その腫瘍が腸の中を狭くします。それにより便がスムーズに通過できなくなり、狭い部分を通り抜けるために便が細くなったり、分断されてコロコロになったりすることがあるのです。
特に、コロコロ便に加えて以下のような症状が伴う場合は、自己判断せずに必ず医師に相談してください。
- 血が混じる、便に血がついている(血便)
- 健康診断で便潜血陽性を指摘された
- 急に便秘になった、便秘と下痢を繰り返すようになった
- お腹の張りが続く、腹痛がある
- 便が細くなった
- 原因不明の体重減少
重要なのは、「コロコロ便であること」そのものよりも、「最近になって急に便通の習慣が変わった」「他の気になる症状も出てきた」という変化に気づくことです。
大腸がんリスクを見逃さないための「大腸カメラ検査」

セルフケアを試みても改善しない場合や、上記のような危険なサインが一つでもある場合は、大腸カメラ検査で腸の中を直接確認することが、最も確実で安心できる方法です。
がんやポリープを直接確認
腸の内部を隅々まで観察し、がんやその前段階であるポリープがないかを確実にチェックします。当院ではAI画像診断支援システムも活用し、見逃しのない高精度な検査を追求しています。
見つけたら、その場で「がん予防」
もしポリープが見つかった場合、当院ではその場で切除する日帰り手術が可能です。これは、将来のがんの芽を摘み取る、最も直接的な「がん予防」です。
苦痛のない検査で、心身の負担を軽減
検査への不安をなくすため、当院では鎮静剤を用いた苦痛のない検査を基本としています。安心して検査を受け、ご自身の腸の状態を正確に知ることが、健康への第一歩です。
便通は健康のバロメーター。見過ごさず専門家にご相談を

コロコロ便は、多くの場合、生活習慣の乱れが原因です。しかし、時には身体からのSOSサインである可能性も忘れてはいけません。
大腸カメラで「がんなどの病気はない」と確認できれば、安心して生活習慣の改善に取り組むことができます。産業医としての経験も活かし、多忙な中でも実践できる具体的なアドバイスもさせていただきます。
院長は「何でも気軽に話しかけて相談してほしい」と考えています。便の悩みはデリケートで相談しにくいかもしれませんが、決して一人で抱え込まず、専門家にお聞かせください。
神戸市灘区、阪急「王子公園駅」すぐの当クリニックが、皆様の不安に寄り添い、健康をサポートいたします。




