ストレスで便秘と下痢の繰り返し…「過敏性腸症候群（IBS）」と向き合うための第一歩神戸市 きなが内科・内視鏡クリニックが解説

神戸市 きなが内科・内視鏡クリニックが解説

「大事な会議の前になると、決まってお腹が痛くなり下痢をする」
「普段は便秘がちなのに、急に激しい腹痛と共に下痢が始まる」
「いつもお腹が張っていて、ガスが溜まっている感じがする」

このようなお腹の不調が慢性的に続き、「自分の体質だから」「ストレスに弱いだけ」と諦めていませんか？

院長の木長は、これまで多くの働く方々が、このようなストレスに関連した心身の不調に悩む姿を目の当たりにしてきました。その症状、もしかしたら過敏性腸症候群（IBS）かもしれません。今回は、IBSの症状と、その診断になぜ大腸カメラ検査が重要なのかについてお伝えします。

ストレスと腸の深い関係

過敏性腸症候群（IBS）とは、検査をしても腸に炎症やがんなどの目に見える異常がないにもかかわらず、腹痛や腹部の不快感が続き、便秘や下痢が起こる病気です。

その原因には、脳と腸が密接に関連し合う「脳腸相関」が深く関わっています。脳が感じたストレスや不安が自律神経を介して腸に伝わり、腸の運動を異常にさせたり、痛みを感じやすい状態（知覚過敏）にしたりするのです。現代社会における仕事のプレッシャーや複雑な人間関係は、この「脳腸相関」を介して、直接的にお腹の症状として現れることがあります。

最も重要なこと：その症状、本当にIBSですか？

「自分はIBSに違いない」と自己判断してしまうのは、非常に危険です。なぜなら、大腸がんや、専門的な治療が必要な炎症性腸疾患（潰瘍性大腸炎など）の初期症状が、IBSの症状と非常によく似ているからです。

これらの病気は、腸の粘膜にポリープやがん、炎症といった「目に見える異常」が実際に起きており、放置すれば進行してしまいます。

IBSの診断は、こうした「命に関わる、あるいは専門的な治療が必要な病気ではない」ことを大腸カメラで確実に確認した上で、初めて下されるものなのです。これを「除外診断」と呼びます。

「安心」を得るための大腸カメラ検査

IBSの診断プロセスにおいて、大腸カメラは重篤な病気を見逃さないために不可欠ですが、もう一つ重要な役割があります。それは、患者様に「安心」を提供することです。

1.重篤な病気を見逃さない

当クリニックの理念である「大腸がんで亡くなる不幸をなくしたい」という想いに基づき、まずはがんやポリープ、炎症がないかを徹底的に確認します。AI画像診断支援システムも活用し、見逃しのない高精度な検査を追求します。

2.ストレスフリーな検査へのこだわり

症状がストレスと連動するIBSの患者様にとって、検査自体がストレスであってはなりません。当院では鎮静剤を用いた苦痛のない検査を基本としており、ほとんどの方が眠っている間に検査が終了します。

3.不安の解消が、症状を改善させる

大腸カメラで「腸の中はきれいですよ」と医師から伝えられることは、何よりの安心材料になります。「もしかしたら悪い病気かも…」という不安が取り除かれることでストレスが軽減され、IBSの症状自体が改善に向かう方も少なくありません。

診断がついた後の治療と向き合い方

大腸カメラで他の病気がないことを確認し、IBSと診断された後は、症状をコントロールするための治療へと進みます。治療は主に以下の3本柱で行います。

• 生活習慣の改善：食事（低FODMAP食など）、睡眠、運動習慣を見直します。
• 薬物療法：症状に合わせて、腸の動きを整える薬や便の硬さを調整する薬などを使用します。
• ストレスマネジメント：ご自身のストレスの原因と向き合い、うまく付き合っていく方法を探します。産業医としての経験から、お仕事の状況なども踏まえたアドバイスも可能です。

「体質だから」と諦めないでください

慢性的な便秘や下痢、腹痛は、決して「いつものこと」で済ませてはいけません。

IBSは、症状について悩んでいる方が多い一方で、なかなか相談しづらい病気でもあります。院長は「何でも気軽に話しかけて相談してほしい」と考えています。長引くお腹の不調でお悩みの方は、ぜひ一度、安心してご相談ください。

神戸市灘区、阪急「王子公園駅」すぐの当クリニックが、そのつらい症状と向き合うための第一歩をお手伝いいたします。