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【神戸市・阪神間の方へ】その激痛、アニサキスかも?専門医が解説する食中毒の最新事情と胃カメラ治療

2025.11.29

神戸市灘区 きなが内科・内視鏡クリニックが解説

秋のサンマ、新鮮なサバやアジ。旬の魚介類を生で味わうのは、日本の食文化の大きな喜びです。しかし近年、その楽しみに「激痛」のリスクがかつてなく高まっていることをご存知でしょうか。

その原因が、寄生虫「アニサキス」による食中毒です。

「まさか自分が」と思いがちですが、アニサキス症は決して他人事ではありません。今回は、この激しい痛みを伴うアニサキス症の最新事情と、その診断・治療に胃カメラがいかに重要かを詳しく解説します。


  1. アニサキス症とは?その「激痛」の本当の正体

アニサキスは、サバ、アジ、イカ、サンマなど多くの魚介類に潜む、体長23cmの白い糸状の寄生虫です。これらが寄生した魚介類を生、あるいは加熱が不十分な状態で食べることで、生きたまま胃や腸の壁に食い込み、症状を引き起こします。

激痛のメカニズム:原因はアレルギー反応

アニサキス症の痛みは「キリキリと刺すような」「経験したことのない」と表現されるほどの激痛です。しかし、この痛みは、虫が胃壁を物理的に傷つける痛みだけではありません。近年の研究では、アニサキスが胃壁に侵入することに対して体が起こす、強いアレルギー反応(免疫反応)が激痛の主原因であることがわかってきました。

そのため、じんましんや呼吸困難、場合によってはアナフィラキシーショックといった重篤なアレルギー症状を伴うこともあります。


  1. なぜ今、アニサキス食中毒が増えているのか?

近年、アニサキスによる食中毒の報告件数は、ノロウイルスを上回り最多となっています。その背景には、現代ならではの2つの大きな要因があります。

 

流通技術の向上

かつては冷凍で運ばれることも多かった魚ですが、近年は低温で鮮度を保ったまま輸送する技術が発達しました。これにより、私たちは新鮮な魚を楽しめるようになった一方、アニサキスが死なずに生きたまま食卓に届くケースが増えたのです。

 

地球温暖化による海洋環境の変化

従来、アニサキスは太平洋側で多いとされてきましたが、近年は福岡県など日本海側でも食中毒が急増しています。現場の鮮魚店からは「昔は内臓にしかいなかったが、最近は身の中にいることが増えた」という声も聞かれます。これは、温暖化による潮流の変化などが影響し、アニサキスの生息域が拡大している可能性が指摘されています。もはや「この魚だから」「この海域だから」安全とは言えない状況なのです。

3.診断と治療の唯一の鍵:「胃カメラ検査」

「生魚を食べた数時間後に、激しい腹痛に襲われた(しかし、下痢や高熱はない)」という場合、アニサキス症が強く疑われます。

この症状を解決する方法は、ただ一つ。胃カメラ(内視鏡)で、原因となっているアニサキスを物理的に取り除くことです。

  • 確実な診断:胃カメラで胃の内部を直接観察し、胃壁に突き刺さっているアニサキスをその場で確認します。
  • 即時の治療:内視鏡の先端から鉗子(かんし)という器具を出し、アニサキスをつまんで摘出します。
  • 劇的な症状改善:原因である虫体を取り除くことで、あれほど激しかった痛みが嘘のように和らぐことがほとんどです。

薬でアニサキスを殺すことはできません。激痛から解放されるための最も確実で迅速な方法が、胃カメラによる摘出なのです。


  1. きなが内科・内視鏡クリニックの「苦痛に配慮した」アニサキス治療

「激痛は辛いけど、胃カメラも苦しいから」と検査をためらう方もいらっしゃるかもしれません。当クリニックでは、患者様の負担を最小限に抑えるための体制を整えています。

  • 苦痛を抑える鎮静剤:ご希望に応じて鎮静剤を使用します。ウトウトと眠っているようなリラックスした状態で検査が終わり、多くの方が「気づいたら終わっていた」とおっしゃいます。
  • 嘔吐反射の少ない経鼻内視鏡:鼻から挿入する細いカメラは舌の根元を刺激しにくく、「オエッ」となる感覚が苦手な方に適しています。(院長は1万症例以上の経鼻内視鏡検査経験があります)

突然の激痛で不安な時にこそ、安心して検査・治療を受けていただきたい。それが私たちの考えです。


  1. 激痛を感じたら、迷わず消化器内科へ

アニサキス症の予防は、マイナス20℃以下で24時間以上冷凍するか、70℃以上で加熱することが最も確実です。ご家庭で調理する際は、新鮮な魚を選んで速やかに内臓を取り除き、身をよく見て調理することを心がけてください。

しかし、万が一、生魚を食べた後に激しい腹痛に襲われた場合は、我慢せずにすぐに消化器内科を受診してください。

きなが内科・内視鏡クリニックは、神戸市灘区、阪急「王子公園駅」東口より徒歩3分です。WEBまたはお電話にてご予約を承っておりますので、緊急の際もまずはご相談ください。苦痛に配慮した迅速な検査と治療を提供いたします。

院長 木長 健

執筆者

きなが内科・内視鏡クリニック
院長 木長 健

専門医・資格・所属学会

  • 日本消化器内視鏡学会上部消化管内視鏡・大腸内視鏡スクリーニング認定医
  • 人間ドック健診専門医・指導医
  • COH労働衛生コンサルタント
  • 日本医師会認定産業医

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