原因とすぐに受診すべきケースを解説
「うんちの色がいつもと違う…まるでクリーム色だ!」
こんな経験をしたら、驚いてしまいますよね。健康な便は茶色や黄土色をしているのが一般的ですが、便が白くなるのは、何かの病気のサインかもしれません。
今回は、便が白くなる原因から、特に注意すべきケース、そしてどう行動すべきかについてお伝えします。
なぜ、うんちは茶色いの?
そもそも、なぜ健康な便は茶色いのでしょうか? その秘密は、肝臓で作られる「胆汁(たんじゅう)」という消化液にあります。胆汁には、赤血球が分解されてできる「ビリルビン」という黄色い色素が含まれており、この色素が腸内で変化することで、便は茶色になります。
つまり、この胆汁が何らかの原因で腸に届かなくなると、便は白くなってしまうのです。
便が白くなる主な原因
便が白くなる原因は、大きく分けて以下の3つが考えられます。
1.バリウムを飲んだ後
バリウムは、レントゲン検査で消化管をくっきり映し出すために飲む白い液体です。便に混ざることで、便全体が白くなります。 この場合は一時的なもので、数日経てば元の色に戻りますので心配はいりません。
2.消化不良
脂肪分を大量に摂取したり、胃腸の調子が悪かったりすると、消化不良を起こし、便が白っぽくなることがあります。この場合、便と一緒に黄色い油が浮く「脂肪便」として現れることもあります。
3.病気
最も注意すべきなのは、病気が原因で便が白くなるケースです。 これは、胆汁の通り道である「胆道」が、何らかの原因で詰まっている可能性があります。胆道が詰まると、便を茶色にする胆汁が腸に流れず、便が白くなるのです。
この状態が続くと、行き場を失ったビリルビンが体内に溜まり、皮膚や目の白い部分が黄色くなる「黄疸(おうだん)」という症状が現れます。
白い便の原因として考えられる病気には、以下のようなものがあります。
・胆石症: 胆のうや胆管にできた石が胆汁の流れをせき止める。
・肝炎: 肝臓に炎症が起き、胆汁の生成や分泌が滞る。
・胆道がん・膵臓がん: がんが胆道や膵臓を圧迫・閉塞し、胆汁の流れを妨げる。
うんちが白い、こんな時はすぐに受診を!
バリウムを飲んだ後以外で便が白い、または白っぽい状態が続く場合は、必ず医療機関を受診してください。特に、以下の症状を伴う場合は、緊急性が高い可能性があります。
・目の白目が黄色くなった
・体がだるい、食欲がない
・腹痛や発熱を伴う
これらの症状は、胆管が詰まり、体に深刻な影響を及ぼしているサインかもしれません。
消化器内科のクリニックへの相談をお勧めします
白色の便は、見慣れない色で不安になるかと思いますが、自己判断で放置せず、まずは専門医に相談することが大切です。特に、腹痛や黄疸など他の症状を伴う場合は、早期の診断と治療が重要になります。
当院では、便の状態や随伴症状を丁寧にうかがい、血液検査などで体の状態を詳しく調べ、適切な診断と治療をご提案します。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。