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その便潜血陽性、本当に大丈夫?院長が教えるポリープのリスクと痔との違い

2025.08.05

健康診断や人間ドックで「便潜血陽性」という結果を受け取ったとき、あなたはどう感じますか?

「えっ、血が混じってるの?」と一瞬ドキッとしても、「まあ、症状もないし、きっと痔だろう」「この前ちょっと硬い便だったからかな?」と、つい軽く考えてしまうかもしれません。

でも、その「大丈夫だろう」という自己判断、本当に大丈夫でしょうか?

便潜血陽性という結果は、あなたの体からの重要なサインかもしれません。今回は、多くの陽性者を見てきた院長の視点から、そのサインが意味すること、特に「大腸ポリープ」のリスクと「痔」との違い、そしてあなたがどう行動すべきかについてお伝えします。

便潜血陽性、その意味を正しく理解しよう

まず基本ですが、「便潜血検査」は、目には見えないほど微量な血液が便に混じっていないかを調べる検査です。陽性(+)ということは、消化管のどこか(多くは大腸)で出血が起きている可能性を示しています。

もちろん、陽性=即がんではありません。しかし、「血が出ている」という事実を軽視してはいけません。

「痔だろう」という自己判断が一番こわい理由

便潜血陽性の原因として、確かに痔(いぼ痔や切れ痔)は非常に多いです。だから「どうせ痔だろう」と考えてしまう気持ちも分かります。特に自覚症状がないと、わざわざ病院に行くのは面倒だと感じてしまうかもしれません。

しかし、ここで一番やってはいけないのが、自己判断で放置してしまうことです。

なぜなら、大腸がんの初期症状と痔の症状はとても似ているからです。血便や鮮血といった症状だけで、その原因が痔なのか、それともポリープやがんなのかを正確に見分けることは、医師でも難しい場合があります。

大腸がん早期発見の鍵:便潜血陽性でわかるポリープと痔の実態

では、実際に便潜血陽性となった場合、どれくらいの確率でポリープや痔が見つかるのでしょうか? 多くの患者さんを診てきた院長は、次のように考えています。

「だいたい便潜血反応陽性者の半数くらいにポリープが見つかると思っています。残りの半数は、痔核や裂肛などのお尻周りの問題。」

これはあくまで院長の経験的な見解ですが、陽性者の約半分には大腸ポリープが見つかる可能性があります。

「ポリープが見つかる可能性がある」と言われても、ピンとこないかもしれません。大腸ポリープは、大腸の粘膜にできるイボのようなものです。重要なのは、ポリープの中には、将来的にがん化するものがあるということです。つまり、ポリープを放置すると、大腸がんに進行してしまうリスクがあるのです。

逆に言えば、がんになる前のポリープの段階で発見し、切除することができれば、大腸がんを予防することに繋がります。便潜血陽性というサインは、このがん予防のチャンスを与えてくれているとも言えるのです。

 痔の出血との違いは? 見分けるポイントはある?

「じゃあ、出血の仕方で痔かポリープか見分けられないの?」と思うかもしれませんね。

 【痔による出血の特徴】

  • ・色: 鮮やかな赤い血(鮮血)であることが多い。
  • ・出方: 排便時にポタポタ垂れる、ティッシュに付く、便の表面に付着するなど。
  • ・痛み: 切れ痔の場合は強い痛みを伴うことが多い。いぼ痔(内痔核)の場合は痛みがないことも。

 【ポリープや大腸がんによる出血の特徴】

  • ・色: 必ずしも鮮血とは限らない。大腸の奥(結腸)からの出血だと、便と混じって赤黒っぽく見えることも。
  • ・出方: 初期は微量で気づかないことも。便全体に混じっていたり、粘液と一緒に付着していたりすることがある。持続的に少量ずつ出血することが特徴的な場合も。
  • ・痛み: 初期は痛みを伴わないことが多い。

このように違いはありますが、出血の見た目だけで自己判断するのは非常に危険です。特に、大腸がんでも肛門近くの直腸がんであれば、痔と同じような鮮血が出ることもあります。

特に注意が必要なケース

さらに、院長は次のようなケースでは、よりポリープの存在を疑う必要があると指摘しています。

「2日法で1回陽性よりも2回陽性の方がポリープがあるように思うし、何年か連続で引っかかっていて精査していない、というのは、かなりポリープの存在を疑います。」

つまり、

  • ・便潜血検査(2日法)で、2回とも陽性だった。
  • ・毎年のように便潜血検査で陽性になっているが、精密検査を受けていない。

このような方は、ポリープやがんが隠れている可能性がより高いと考えられるため、絶対に放置せず、速やかに精密検査を受けるべきです。

便潜血陽性の不安を解消するためには大腸カメラ検査を

では、便潜血陽性の原因を正確に突き止め、「本当に大丈夫か」を確認するにはどうすれば良いのでしょうか?

その最も確実な方法が、「大腸カメラ(大腸内視鏡検査)」です。

大腸カメラは、肛門から細いカメラを挿入し、大腸の内部を直接観察する検査です。

  • ・出血の原因が痔なのか、ポリープなのか、がんなのか、あるいは他の病気(炎症など)なのかを正確に診断できます。
  • ・小さなポリープや早期の大腸がんを発見できます。
  • ・検査中にポリープが見つかれば、その場で切除することも可能です(がん予防に繋がります)。

「検査が大変そう」「痛いのは嫌だ」という不安もあるかもしれませんが、最近では鎮静剤を使って苦痛を和らげたり、検査時間を短縮したりする工夫をしている医療機関が多くあります。

あなたの「大丈夫?」に答えるために

「その便潜血陽性、本当に大丈夫?」

この記事を読んで、少しでも不安に感じた方は、どうか自己判断で済ませないでください。

院長のアドバイスにもあったように、陽性者の半数にはポリープが見つかる可能性があります。そして、それは大腸がんの予防や早期発見に繋がる大切な機会です。特に、2回とも陽性だった方や、毎年陽性になっている方は、決して放置してはいけません。

血便・鮮血は、あなたの体が発している重要なサインです。そのサインの意味を正しく理解し、「本当に大丈夫か」を確認するために、勇気を出して消化器内科の専門医に相談し、必要な検査(大腸カメラ)を受けることを強くお勧めします。

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