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【ポリープ切除後】食事はいつから普通でOK?回復をサポートする食事プランと簡単レシピ

2025.08.05

大腸ポリープ切除後、何食べる?食事の疑問と回復レシピ

大腸ポリープは、大腸の粘膜にできる隆起した腫瘍で、多くは症状がありませんが、将来的に大腸がんになる可能性があるため、検査時に発見された場合は切除することが推奨されます。(すべてのポリープががん化するわけではありません。)

ポリープを切除した後の大腸の粘膜は、いわば「小さな傷」ができている状態です。この傷が早くきれいに治り、出血などの合併症を防ぐために、切除後の数日間は特に「食事」に気をつけていただくことがとても大切になります。

「何を食べたらいいの?」「いつから普通の食事に戻せるの?」といった疑問をお持ちの方も多いと思います。この記事では、大腸ポリープ切除後の食事のポイント、注意点、そして回復を助ける簡単レシピをご紹介します。

なぜ食事に気をつける必要があるの?

ポリープを切除した直後の大腸粘膜は、非常にデリケートです。

  • ・消化の悪い食べ物: 腸に負担をかけ、粘膜の回復を妨げることがあります。
  • ・繊維質の多い食べ物: 便の量を増やし、硬くすることがあります。その便が傷口をこすってしまい、出血の原因となる可能性があります。特に、切除後数日は注意が必要です。
  • ・脂っこい食べ物: 消化に時間がかかり、腸への負担が大きくなります。
  • ・刺激の強い食べ物(香辛料など): 傷口を直接刺激し、痛みや出血を引き起こす可能性があります。
  • ・アルコール: 血行を良くするため、出血を助長するリスクがあります。

これらの理由から、切除後は腸をしっかり休ませ、傷の治癒を促すために、消化が良く、腸にやさしい食事を心がけることが重要です。

ポリープ切除後の食事【段階的な回復プラン:約1週間~10日間】

ポリープ切除後の食事は、合併症を防ぎ、傷の回復をスムーズに進めるために非常に重要です。焦らず、段階的に通常の食事に戻していきましょう。

当院では、切除後約1週間から10日間を目安に、以下の4つのステップで食事を進めることをお勧めしています。1つのステップにつき23日かけ、ご自身の体調を見ながらゆっくり進めてください。

【ステップ1:切除当日~】《液状・流動食》腸を休ませる

切除当日は、腸への負担を最小限にするため、水分補給を中心とした流動食から始めます。

OKなもの例:

    • 具なしのコンソメスープや味噌汁(上澄み)
    • おもゆ(米粒のないおかゆの上澄み)
    • スポーツドリンク
    • お茶(麦茶、ほうじ茶など)
    • ゼラチンゼリー(果肉やこんにゃくが入っていないもの)

ポイント: 少量ずつ、ゆっくり摂取しましょう。冷たすぎるもの、熱すぎるものは避けてください。

【ステップ2:術後24日目頃~】《飲み込める軟らかさ》少しずつ固形へ

少しずつ、消化が良く、舌で潰せるくらいの軟らかい固形物を試していきます。

OKなもの例:

    • 三分粥~五分粥
    • よく煮込んだうどん(具なし)
    • 卵豆腐、豆腐
    • はんぺん
    • 茶碗蒸し(具なし)
    • かきたま汁
    • じゃがいものマッシュ(味付けは薄く)

ポイント: よく噛むことを意識し、食べ過ぎないように注意しましょう。

【ステップ3:術後47日目頃~】《少し食べ応えのあるもの》形のある食事へ

歯茎で潰せる程度の、もう少し形のある食べ物に挑戦します。

OKなもの例:

    • 五分粥~七分粥、全粥
    • フレンチトースト(油分控えめ)
    • 高野豆腐
    • 鶏ささみ・鶏むね肉(蒸し、茹でてほぐしたもの)
    • 白身魚(蒸し、煮付け)
    • オムレツ、スクランブルエッグ
    • バナナ
    • 桃やリンゴの缶詰(シロップは控えめに)
    • 大根、かぶ、かぼちゃなど繊維の少ない野菜を柔らかく煮たもの

ポイント: 様子を見ながら、少しずつ食材の種類を増やしていきます。

【ステップ4:術後710日目頃~】《普通食への移行期》通常食に近づける

見た目はほぼ普通の食事に近くなりますが、まだ消化の良いものを選び、調理法も「焼く」「揚げる」は避け、「煮る」「蒸す」を中心にします。

OKなもの例:

    • 全粥~軟らかめのご飯
    • 食パン(白いもの)
    • 鶏肉(皮なし)の蒸し煮、茹で物
    • 白身魚の薄味の煮付け、ホイル蒸し
    • 厚焼き卵
    • 豆腐、高野豆腐
    • じゃがいも、里芋などのイモ類(皮なし)
    • 缶詰の果物

ポイント: この段階でも、下記「避けるべき食品リスト」に挙げられているものは控えます。

【重要】回復期間中(約10日間)は避けるべき食品リスト

以下の食品は腸に負担をかけたり、傷口を刺激したりする可能性があるため、上記のステップに関わらず、回復期間中は避けるようにしましょう。

穀類・豆類 玄米、麦、雑穀米、胚芽パン、全粒粉パン、ナッツ類、ごま、小豆、大豆、納豆
肉・魚類 脂身の多い肉(豚バラ肉、牛肉サーロイン等)、加工肉(ベーコン、ソーセージ)、鶏皮、青魚(サバ、イワシ、サンマ等)、マグロ(特に脂身)、うなぎ、イカ、タコ、エビ、カニ、貝類、魚卵、干物
肉・魚類 脂身の多い肉(豚バラ肉、牛肉サーロイン等)、加工肉(ベーコン、ソーセージ)、鶏皮、青魚(サバ、イワシ、サンマ等)、マグロ(特に脂身)、うなぎ、イカ、タコ、エビ、カニ、貝類、魚卵、干物
揚げ物 天ぷら、カツ、フライドポテト、フライなど全般
乳製品 チーズ、バター (ヨーグルトや牛乳も、腸への刺激となる場合があるため、控えるよう指示されることがあります。医師にご確認ください)
野菜類 繊維の多い生野菜全般、根菜(ごぼう、れんこん)、たけのこ、きのこ類全般、海藻類(わかめ、こんぶ、のり等)、こんにゃく、薬味(ネギ、しょうが等)
果物 繊維の多いもの(パイナップル等)、種の多いもの(キウイ、イチゴ等)、柑橘類(みかん等)、梨、スイカ、メロン、ドライフルーツ、レーズン
その他 刺激の強い香辛料(唐辛子、こしょう、カレー粉等)、アルコール飲料全般、炭酸飲料、脂肪分の多い菓子(ケーキ、スナック菓子等)、ジャム (コーヒーもカフェインが刺激になるため、控えるよう指示される場合があります)

※上記のリストはあくまで一般的な目安です。ご自身の状態に合わせて、医師や管理栄養士の指示に従ってください。

食事以外にも、回復を妨げないために以下の点に注意しましょう。

運動 腹圧のかかる激しい運動(ゴルフ、ジョギング、筋トレ等)は3日~1週間程度避ける。
旅行・出張 術後12週間は遠出を避ける。
入浴 長湯やサウナは避け、シャワー浴か短時間の入浴にする。

普通の食事はいつから?

上記の4ステップを経て、約10日後から徐々に通常の食事に戻していくことができます。

ただし、「普通の食事」といっても、すぐに油っこいものや刺激の強いものを大量に食べるのは避けましょう。回復後もしばらくは、バランスの取れた消化の良い食事を心がけ、ご自身の体調を観察しながら、少しずつ食べられるものの種類や量を増やしていくことが大切です。

最終的にいつから完全に制限なく食べて良いかは、必ず担当医の診察を受けて判断してもらってください。

簡単!回復を助ける「やさしいレシピ」紹介

ステップ34の頃におすすめの、消化が良く栄養も摂れる簡単レシピです。

「鶏ささみと豆腐のやわらか卵とじ」

  • 材料(1人分)
    • ・鶏ささみ: 1本(約50g
    • ・絹ごし豆腐: 1/4丁(約75g
    • ・卵: 1
    • ・だし汁: 150ml
    • ・醤油: 小さじ1/21
    • ・みりん: 小さじ1/2なければ砂糖ほんの少しでも可)
    • ・(お好みで) 片栗粉: 小さじ1/2(同量の水で溶く)
  • 作り方
  1. 鶏ささみは筋を取り、薄くそぎ切りにするか、茹でて細かくほぐします。
  2. 豆腐は軽く水気を切り、5cm角くらいに切ります。卵は溶きほぐしておきます。
  3. 小鍋にだし汁、醤油、みりんを入れて火にかけ、煮立ったらささみを加えます。ささみの色が変わったら豆腐を加えます。
  4. (お好みでとろみをつける場合) 水溶き片栗粉を回し入れ、混ぜながらとろみをつけます。
  5. 溶き卵を円を描くように回し入れ、半熟状になったら火を止めます。
  6. 器に盛り付けます。(ネギなどの薬味は回復するまで避けましょう)

特に注意すべきこと:出血サインと服薬

出血について

・ポリープ切除後、約10日間は出血のリスクがあります。排便時には必ず便の状態を確認してください。

・便に少量の血液が付着する程度であれば、心配ないことがほとんどです。

・便器の水が真っ赤になるような多量の出血や、黒っぽい便(タール便)、頻繁に出血が続く場合は、すぐにクリニックにご連絡ください。 夜間や休診日の場合は、指示された緊急連絡先か、救急外来を受診してください。

 

お薬について

・血液をサラサラにする薬(抗凝固薬、抗血小板薬など)を普段から飲んでいる方は、検査や治療のために一時的に中止している場合があります。

・自己判断で再開せず、必ず医師の指示通りのタイミングで再開してください。

まとめ

大腸ポリープ切除後の食事は、安全かつ順調な回復のために非常に大切です。特に最初の1週間~10日間は、ご紹介したステップを参考に、消化が良く、腸に負担をかけない食事を心がけてください。

食事内容や進め方で不安な点、あるいは出血などの気になる症状がある場合は、決して自己判断せず、遠慮なく当院にご相談ください。

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